古関裕而メロディーから

朝ドラエール の放送に合わせて古関裕而メロディーをアップしてみました。

原曲は「古関裕而記念館」などでお聞きください。

「船頭可愛いや」~抒情歌風に~

日本コロンビアレコードには「芸術作品」を扱った「青版」と「流行歌」の「赤版」があって、レコードに貼られたラベルが本当に「青色」、「赤色」でした。

「船頭可愛いや」は「音丸」さんが歌われた赤版でしたが、三浦環さんが歌われたものは青版でプレスされたとのこと。後に、三浦環さんのために古関裕而氏が作曲した「月のバルカローレ(後に月のバルカローラ)」も青版で作られます。

その後古関裕而氏は数々のヒット作を世に送りすが、氏の青版は「船頭可愛いや」と「月のバルカローラ」の2枚でした。


「月のバルカローラ」

当時最高峰のオペラ歌手、三浦環さんのために書き上げたこの曲、チャイコフスキーを始め多くの作曲家が作った「舟歌」と並ぶ作品。今日でも多くのソプラノ歌手に愛唱されています。…とは言え、♭が6っつ並ぶとちょっとドキッとします。

「自転車美人」と呼ばれたマドンナ、三浦環さんが留学前に音楽学校で山田耕筰さんに声楽を教えておられた頃の話をはじめ、逸話には事欠きません。

小説「魔風恋風」小杉天外の主人公萩原初野のモデル。


「高原列車は行く」

古関裕而氏は「ヨーロッパアルプスの高原鉄道」のイメージで作曲されたとのことです。当時の歌謡曲伴奏には浸透していなかった軽いラテン系で演奏してみました。


「熊祭(イヨマン)の夜」

NHKのど自慢の全国大会ではほとんどの男性が「熊祭の夜」を歌い、審査員を悩ませた、という伝説の一曲。安曇野を舞台にしたラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の中に使われた「山男登場」の場面でのフレーズから曲として仕上げたとのことなので、舞台を信州北アルプスから南米アンデス山脈に移して、フォルクローレ風の演奏です。


「福島小夜曲」

竹久夢二氏の詩に作曲して、氏が来福折、滞在先の宿を訪れて披露した曲。4拍子で書かれた「福島夜曲」を馴染みのあるセレナーデにならって3拍子形式で演奏してみました。

福島行進曲のB面。


「若鷲の歌」

とてもきれいなメロディーで、聞く機会の多い曲です。フルートとピアノの組み合わせで、骨太な音作りにしたかったので、ちょっとヘンデル風に編曲をしてみました。


「白鳥(しらとり)の歌」

若山牧水の短歌三首に付けられた美しいメロディー。私たちは”大空を舞う白鳥”をイメージして、ボサノヴァ風のサウンドに乗せました。


「モスラの歌」

南の島に祀られた不思議な妖しい色彩の守護神モスラ。キリスト教から見れば明らかな異教の神、となれば、やっぱりSANTANA、Black Magic Womanでしょう!と懐かしのラテンロック、サンタナ風に。


「暁に祈る」

「戦時歌謡は短調の悲しいものが流行る」。親兄弟、恋人を残し戦地に向かうのに楽しいはずもなく、ましてやそれを見送る人たちも。古関裕而氏も慰問に行った戦地で、自分の歌を涙を流しながら歌う兵士たちに胸が痛んだと述懐されています。古関裕而メロディーを哀歌として演奏いたします。映画「暁に祈る」のキャンペーン時の写真が福島市日野屋楽器に展示されています。


「栄冠は君に輝く」

戦争の傷跡が各所に(心の中にも)残る中、高校球児を通して全ての人々への応援歌として作曲され、今日も歌い継がれています。普遍的な歌はバッハに倣ってみました。譜面書きが終結部にさしかかったとき、「志村けんさん(朝ドラエールの山田耕筰役)の訃報」がネットニュースに流れたのを受け、静かに終わる予定が急遽、「志村けんさんへのエール」に変わったのがこの編曲です。


「紺碧の空」

朝ドラエール では小山裕一(古関裕而)がレコードが出せず更に音楽の方向性にも悩んだ末に完成された早稲田大学応援歌、という位置づけ。しかも伊藤久男、山田耕筰、藤山一郎、古賀政男、三浦環など錚々たるメンバーが出そろう週。


タンゴ「君の名は」

「忘却とは忘れ去ることなり」の名ナレーションで始まるラジオドラマ「君の名は」。放送時間になると銭湯では「女湯が空になる!」とまで言われた伝説のドラマです。次々と映画化もされましたが、第1作目から流れたテーマを情熱的なタンゴ風にしてみました。