みちのくに春を届ける花とんぼ

2017/2/17 Fri.

「南部花とんぼ展」

2月18日から25日

福島市 民芸「うえき」

 畠山定男さんは、「花とんぼ」と呼ばれるとんぼ玉の作家です。南部富士「岩手山」の西麓、雪深い八幡平のアトリエでバーナーの炎と向き合って組み上げたとんぼ玉。ガラスの花々が小さなガラスの中に咲き誇ります。

 バーナーで融けた色ガラス管の束を髪の毛より細く引いて花蕊、花びらで数ミリの花を組んで、パーツを作り、それを一寸に満たないガラスの中に組み込みます。

 ひらりとした一枚の花びらに見えても、拡大してみると細い線の集まりで、織物のようでもあります。

 アトリエで工程を見せてもらいましたが、とんぼ玉を作る指先の動き、鋭い目線、バーナーの熱、飴のように融けた真っ赤なガラス…。Takanoの言葉では表せない、ちょっと息苦しくなるほどに繊細なものでした。

 畠山さんと話すとそんな神経の磨り減るような制作をしているとは思えない方です。全国を回っての楽しい話、八幡平での風変わりな暮らしなど、また聞けるのが楽しみです。